ことばに事実と感動を詰め込む その2

 春のめ
岐阜 小3 女子

かれ草の間から

小さなめがでている。

かれ草を

手に にぎると、

ガッサッとくずれた

青々としために

そっと手をふれてみた。

ぷっくりとして

力がこもっている。

春は、

土の中から

おし上がってくるのだな。

 

 

いねのにおい
新潟 小6 女子

山の空気に

新しい いねのにおいがまじってきた。

耕運機にのっていくと、

どこへ行っても

いねのにおいがする。

今までに

一度もしなかったいねのにおいが、

いま、いっせいにまじってきて

山全体が

いつのまにか

いねのにおいにつつまれて、

山のにおいをかえていった。

秋のにおいは

いねのにおい。

いねのにおいは

山のにおいだ。

 

人間的なことばはどうして育っていくのでしょう。母語というとらえ方がありますが、子どもはおかあさんの母乳で育つように、お母さんとお父さんとまわりの人々と生活を共にしながら、ことばの前提になる関係性が培われます。そこでたくさんのことばかけをしてもらい、気持ちよいと笑う、気持ち悪いと泣く、お腹が空いたら泣く、などの感情もわかっていきます。そして、発達とともに、見たり、聞いたり、さわったり、味わったりしながら外界の事物にふれながら感覚を広げていきます。さらに、そうした感情や感覚をことばの世界で表すことができるようになっていきます。子どもは、文字を覚える前に人間としてのことばの基本的な部分を獲得していきます。

 近年、この母語的体験が少なかったり異変がおきたり、先に指摘したようにことばの抽象化が進み、多くの生活語を体験しないままにことばだけを知っている子どもがふえています。

ことばのなかに具体的な事物との体験が組み込まれていなかったり、人間的な「思い」がことばのなかに宿るプロセスが希薄になっているのではないかと指摘されています。体験をことばのなかに詰め込んでいくプロセスがどのようになっているのでしょうか。

「豊かなことば育ちが 心と学力の基礎」 村山士郎著  本の泉社より

 

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